こんな使い方もできる! 『重点ポイント昇任試験時事問題』の裏ワザ

 毎年夏に年度版として発刊しております『重点ポイント昇任試験時事問題』。数少ない自治体昇任試験向けの時事問題のテキストであり、しかも実戦に近い5肢択一形式で問題を解きながら学べることで、時事問題が出題される受験者には毎年ご好評いただいています。

 高い評価をいただいている理由は本書ならではの知識が身につく問の立て方。本コラム下部にサンプルページのリンクがありますので、どうぞご覧になって設問と解説の質の違いを感じてください。

 実は本書は、筆記試験の時事問題対策としてはもちろん、「ウチでは時事問題は出題されない、論文だけ」という方にも効果的に使っていただける本なのです。今日は、そんな裏ワザ的な使い方をお教えしましょう。

それって本当? こんな書き方、していませんか?

①「日本に訪れる外客数は年々増加しており、これからの地域づくりにおいてはインバウンドを見込んだ戦略的なプロモーションや環境整備が必要となる。」

②「日本における自殺者数は、民間、自治体、国といった多様なセクターによる防止に向けた活動を背景に、ここ数年減少傾向にある。」


 上の2つは、いずれも昇任論文の答案例に出てきそうな文ですね。ご覧になって、どのように感じたでしょうか? 「なるほど」と思ったか、「そうかな?」と疑問を抱いたか…。
記述に違和感を持った、という方は正解です。この記述がコロナ前のことであればおかしくないのですが、「今」のことだとすれば正しい現状が踏まえられているとは言えません。この認識のズレが違和感になっているのです。

昇任論文出題テーマを掴むには、背景=社会の現状把握が不可欠!

 ではなぜ論文試験を書くにあたって、社会の現状を把握しておく必要があるのでしょうか。
 論文試験の評価を左右するのは、「出題の趣旨を理解し、正面から受け止めて述べること」「自らの考え方を持ち、的確な解決策などを述べること」ができるかどうかです。それを実証するにはまず、問われているテーマを確実に捉えて、その上で問題文が問うていることに答えなくてはいけません。出題テーマを捉えるということは、そのテーマの背景を正確に把握することと直結しています。
 『重点ポイント昇任試験時事問題』では、政治・外交、国際関係のほか、財政・税制、社会など幅広いテーマを取り上げていますので、今の社会を「気になるところ」から学んでいくことができます。自治体政策に関係の深いトピックは、調査・報告にも焦点をあてていますので、掘り下げて社会の状況を知ることができます。

 ちなみに、①にかかる現状を『重点ポイント昇任試験時事問題2022年度版』で見ると、「訪日外客数及び消費動向(2021年)」から以下のことが分かります。
①新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限の影響により、2021年の訪日外客数はピークだった2019年に比べて99.2%減の24万人5900人となった。またこの間の入国者は、ビジネス目的や五輪関係者、技能実習生、留学生らがほとんどを占めた。

 こうした状況下で、インバウンドを見込んだ地域づくりを語るには、思い切ったパラダイム転換が必要となります。論じるものごとの背景がきちんと踏まえられていなければ、見当違いの主張を展開してしまう恐れもあるのです。

正しい現状の認識で、政策課題が見えてくる

 つぎに、②に目を向けてみましょう。実は、ここ10年の推移として見れば自殺者数は減少傾向にあることは誤りではないのですが、日ごろ見聞きしている情報とは何か異なるところがありそうです。同様に『重点ポイント昇任試験時事問題2022年度版』を見てみると、以下のことが分かります。

②2021年の自殺者数は、2万1007人。2020年よりは減ったものの、コロナ禍前の2019年、2018年よりは多い。自殺者数全体を見ると、男性は1万3939人と12年連続で減少した一方、女性は2年連続で増加し、7068人となった。また世代別では、前年も増加が目立った20代が前年比3.6%増加した。

 コロナ禍の前と後で、大きく状況が変わっていることが見て取れます。この変化は、社会状況が引き起こした「問題」であり、政策課題となることはいうまでもないでしょう。しっかりと数値に裏打ちされた背景を踏まえ、そこで起こりうる問題に対して効果的な解決・介入方法が提起できれば、あなたの論文の「説得力」はぐっと増します。
新しい社会の状況をいち早く捉え、論文の材料としてあなたの頭にストックしておくときの大いなる味方が 『重点ポイント昇任試験時事問題』なのです。ぜひ、時事問題対策以外にも活用してください!

 

『重点ポイント昇任試験時事問題2022年度版』サンプルページ

No.43 訪日外客数及び消費動向(2021年)

No.45 自殺者数(2021年)