論文を勉強するとき、気を付けたいポイント

コラムキーワードタグ

管理監督職(主任・係長、課長など)の昇任試験では近年、合否判定における論文試験結果のウェイトが高まっており、対策が不可欠です。効果的に勉強を進めるために、どのようなことに気を付けるとよいのでしょうか。

「合格論文」をどう活用するか?

論文試験において合格ラインを突破したいわゆる合格論文を分析することが、意義のある試験対策であることは間違いありません。合格者がどのように対象の職に対する熱意や意欲を語ったか、あるいは事業・事務の執行や職場のマネジメントに向けた発想・実現のための方法はどうか、またそれを文章でどう表現すればいいのかを知ることは大変参考になります。
一方で気を付けなくてはならないのは、こうした答案を「安易にコピペ」しないようにすることです。合格論文を元にして、「想定論文例」を作成し、これを論文対策とすることには注意が必要です。人の文章を借りてつぎはぎしたものは、論旨に一貫性が欠けたり、論点の深掘りが十分でないものとなることがあります。また、美辞麗句が並び一見整っているようでも、「安易なコピペ」かどうかを見抜く力をもってるのが採点者です。合格答案は、「見て覚える」のではなく、「見て考える」ために活用しましょう。

 

最近、「手書き」が減っていませんか?

「手で書く」ことは論文練習において非常に重要なポイントです。というのは、最近は、仕事でもコンピューターを使うことが増え、これに慣れてしまっているからです。そうした人が、いざ手書きで書こうとするときに突き当たるのが、漢字が書けないとか、疲れてしまって文字を書き続けられないという壁なのです。
また、ワープロソフトは文章の「切り貼り」が簡単にできますし、文字の表示、変換もあっという間なので、この感覚で論文を作成していると、実際に手書きで論文をしあげる時間を見誤ることになります。
手書きの際は、言わずもがなですが、読みやすい文字を書くように心がけます。悪筆の方でも、丁寧に見やすい大きさで書くことで文字は随分読みやすくなります。

「自分ルール」も決めておこう!

論文試験の採点基準は試験により様々なので、論理性や論旨に比重をおいて採点し、誤字脱字についてはあまり厳しく見ないということもあるでしょう。必ずしも、誤字脱字がないこと、表記のゆれがないことが合格の条件にはなりません。しかし、自治体職員にとって、きちんとルールに基づいた文章を書くことは不断に求められます。日頃から意識して文章力を磨くことが重要です。
文章のルールについては、自治体によっては文書事務について規程で定めていたり、手引きを作成しています。まずはご自分の所属する自治体にそうしたものがあるか、あるのであればその内容をさらっておきましょう。特にない場合、用字用語集(辞典)が通信社・新聞社・出版社から発行されていますので、これを元に「自分ルール」を確立しましょう。